[愛媛姫路] 姫路城,1943












驚き!戦時中のヴィジュアルガイド発見~『日本の城』
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2010/2/25(木) 午前 1:27 建築としての城 歴史
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珍しい古本を手に入れた。アルス文化叢書27『日本の城』
この本、発行が昭和18年と言うから、今から70年近くも昔のもの。
大時代的な美辞麗句と歴史浪漫の耽美をダラダラ綴った本かと思っていたら
予想に反して実直な本だ。気に入った。
歴史学と建築史に基づいて事実を正確に解説している。
戦時中にこんな本が出版されていたとは、ちと驚いた。1円50銭也
(この叢書自体については別のブログ記事を作成する)
大類伸(おおるい のぶる)
この本の著者にして歴史学者。
東北帝国大学教授。専門は西欧文化史だが
日本の城郭史にも造詣が深く城の本も多く出版していた。1960年代には、
日本の城全8巻や日本城郭事典など多数監修。皆さんの蔵書の中にも
一冊お持ちではないだろうか?城郭研究を一般に広めた草創期の先生だ。
本の構成は、前半がモノクロの写真集で、後半に解説がある。
写真は、当然、昭和初期かそれ以前のものだ。
古写真も含まれている。幕末維新時の写真は近年よく取り上げられているので、珍しくはないが、
戦災焼失前や解体修理前の様子の城郭写真もあるので、ここで何点か紹介しよう。
姫路城
ここでは解体修理前の様子が撮影されている。
天守最下層の軒下の頬杖が現状と異なっている。(写真↑)
長年の重みで軒が下がっていたため江戸後期に補強されていた。
現在は短いものになっている。
内部には、柱間に大きな筋交いが入れられている。現在は撤去されて無い。
これは、傾斜していた天守の倒壊防止のため補強材として、やはり江戸後期に入れられたものだ。

若葉マークの都市建築研究所
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