カフェー、レストラン



食堂での食事も、百貨店を訪れる楽しみの一つとなりました。
書名等: 大東京写真帖 忠誠堂編輯部 1932
請求記号: T/0・740/4/A

都市・東京の記憶 
http://www.library.metro.tokyo.jp/portals/0/tokyo/chapter2/1124485780_0086.html






春が、春が、春が来る
どこかに恋がないものか
さてもオウバの汚れめよ
靴には泥が、をととひの
はねが今でもついている

なにしろ冬が逝ったのさ
あの化粧品屋の売りっ子め
たうたう女優になりやがった
しかも活動の
大雪の夜に壕端を
一緒にタクシイで走ったのを
忘れたいのにまた覚えてゐるが
くそ、せいぜい俗衆のまえで
下手なキスでもしたまえ
そんな愚痴はどうでもよしだ
このステッキは少々厭きたね
春は細身のケエンにかぎる
やはらかな色のボルサリノ
英吉利型のオリイブの春の上衣の井出で
ケエン振り振り街を歩いたら
さぞや好かろう
恋もあろ
( 銀座青年のうた,沙良峯夫,1925 )

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春のさきがけ
作品店の飾窓
一年前の仏蘭西の巴里で流行したる品は
大抵ございます
げに誘惑の花園で
小娘みたいにわくわくすることもある
十軒よってネクタイ一本
明日は靴下
明後日は・・・
ふところ穿鑿すべからず
なにしろ春が、春がくる
新しい流行歌はまだ出ないが
なに、もうじきだとも
( 銀座青年のうた,沙良峯夫,1925 )

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