[大阪] 中之島公会堂(大阪市立中央公会堂)














■中之島公会堂
東京駅と似ている建築に、大阪の中之島公会堂(大阪市立中央公会堂)がある。
大阪市立中央公会堂(中之島公会堂)
こちらは、非常によく似通っている。
中之島公会堂は、大正7年(1918)に竣工しているので、むしろ似ているのは、京城駅の方である。
今からちょうど100年前の大正元年(1912)に、この中之島公会堂の設計競技(コンペ)が行われ、
13のプランの中から、当時まだ新進気鋭の岡田信一郎の案が選ばれた。
面白いことに、このコンペに、当の塚本靖も参加していたのである。
これが 塚本案のパース図。ドイツ風だろうか、お手本どおりの様式で、他の案に比べても些かインパクトに欠ける。
中之島公会堂と京城駅の竣工した時間差に、7年の開きがあるので、穿った見方をすると京城駅は岡田の公会堂の盗作とも取れなくない。
しかし、そうではないだろう。先ず、負かされてしまった案を模倣するほど間抜けなことはしないだろう。
逆に、落選した自分のプランを実現してみせて、世に己の力量を問う機会と捉える方が妥当だ。
まあ、このことは“建築様式”(ここではネオ・ルネサンス様式)が、ある程度固定化された中で、意図せずに似通ってしまうジレンマと言えなくない。
お遊びで、面白く考えてみると、ラランデが先に没しているので、塚本がゴリ押しに自分の公会堂落選案を捻じ込んで、京城駅で実現させていたならば、その後の京城駅(ソウル駅)は、全く異なっていたかもしれない。なんてね。

若葉マークの都市建築研究所
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