磐越西線会津若松駅 (福島県会津若松市)
喜多方駅
ホテルの部屋からの眺め(福島県会津若松市白虎町)
[福島会津] 会津列車紀行
会津列車たび ハイカラさん
2006/2/21 6:00
2006/2/22 12:00
2006/2/23 0:00
■急行〔ゆのさと273号〕
急行〔ゆのさと273号〕 1273列車 (新藤原)
平成18年2月18日土曜日、会津に行ってきた。東日本旅客鉄道武蔵野線で新松戸(9:54)から南越谷(10:08)へ。東武鉄道伊勢崎線新越谷駅で予め購入しておいた、会津往復『列車たび』きっぷ(新越谷-会津若松間・6600円)で入場する。準急で新越谷(10:19)発。越谷で特急の通過待ち。新越谷(10:34)で下車する。急行〔ゆのさと273号〕に乗り換え。全車指定席の列車だが、本日は満席との事。前日に急行券を購入しておいて良かった。
春日部(10:43)発。座席は春日部でほぼふさがったようだ。ほとんどが行楽客と思われる。小さなこども数名を連れた3世代の客がおり、童謡など唄っていて微笑ましい。ちなみに急行の座席は向きは換えられるがリクライニングシートではない。新越谷駅改札内のドトールで買ったコーヒーを飲む。少し冷めてしまった。東武動物公園を通過し、日光線に入る。栗橋の東北本線との渡り線を見たかったが、進行方向左の窓側の席からは見えない。3月18日のダイヤ改正で東日本旅客鉄道新宿-東武日光・鬼怒川温泉間で特急列車が相互直通運転となる。ここでJR線から東武線へ乗り入れとなる。
利根川を渡る。ここから次々と県境を越えて行く。柳生(埼玉県)、板倉東洋大前(群馬県)、藤岡(栃木県)。一駅ごとに県が違うのは珍しい。新幹線なら名古屋(愛知県)、岐阜羽島(岐阜県)、米原(滋賀県)、京都(京都府)、新大阪(大阪府)、新神戸(兵庫県)というのがある。ちなみに茨城県境も程近い。高架線となり両毛線との接続駅、栃木に停車。東武に続いてJRも高架駅に変わっている。線路は地上に降りて次の新栃木に続いて停車。高い山には雪が見えるようになり、新鹿沼に停車。日光杉並木を見て、下今市に停車。この列車は日光へは行かない。日光への乗客が隣のホームの日光行に乗り換える。車内は閑散としてきた。
複線電化の日光線と別れ、単線電化の鬼怒川線に入る。大谷川を渡り、ゆるゆると列車は走る。線路の規格がかなり違う。平行道路を行く自動車に追いぬかれるが、速度を出せば脱線してしまうだろう。新高徳、鬼怒川温泉、鬼怒川公園と停車していく。鬼怒川に沿って大きな温泉場が開けている。テーマパークの側も通った。山にはロープウェイもある。個人的には鄙びた温泉場の方が好みであるが、この旅とは関係がない。終着の新藤原(12:32)到着。東武鉄道最北の駅で、この先は野岩鉄道の線路とつながっている。2両編成の電車に乗り換えとなる。
■野岩鉄道
野岩鉄道 会津鬼怒川線 快速 3273列車 (新藤原)
次に乗った快速列車は、急行からの乗り換え客で混雑していた。急行の中で酒盛りをしていて随分ご機嫌の一団も見られる、この後、龍王峡から先の区間は初めて乗るところなので車窓楽しみにしていたが、扉の側の窓に背を向けた席に座るのがやっとであった。騒がしいまま、新藤原(12:35)を発車。ご機嫌の一団がかわるがわる便所に入る。2つ目の停車駅、トンネルの中にある湯西川温泉に停車するとほとんどの乗客が下車して閑散としてきた。ご機嫌の一団も降りていった。
ボックス席ひとつを一人占めする。乗り物が空いているのはよいが、鉄道会社の経営としては厳しいところだ。車窓は雪国である。前に降った雪が残っているだけで、今日は晴天であるが。山峡の景色はよいのだが、トンネルばかりの区間である。野岩鉄道(新藤原-会津高原)は国鉄野岩線として建設されていたが、第3セクターで昭和61年(1986)に開業した鉄道である。線名を会津鬼怒川線といい、東武鉄道鬼怒川線と会津鉄道会津線とを結んでいる。なお、野岩とは下野国(栃木県)の「野」と岩代国(福島県)の「岩」である。列車は県境のトンネルに向けて坂を登っていく。
野岩鉄道の前方車窓
県境の長いトンネルを抜けると、福島県の会津である。会津高原駅に到着する。この駅には以前、檜枝岐村へ車で行く途中に立ち寄っている。野岩鉄道はここまでだが、この列車は会津鉄道の会津田島まで乗り入れる。そこまでは電化されている。坂を下っていって会津田島(13:26)に到着した。190.7キロ離れた浅草から快速列車(電車)が直通運転している。この先は非電化区間なので電車から乗り換えとなる。
■会津鉄道会津線
会津鉄道 会津線 普通 2320D列車 (会津若松)
会津田島では、隣のホームに停車中の会津鉄道の気動車に乗り換えとなる。誇線橋もあるのだが、踏切で線路を横切るようにもなっているので、階段の昇り降りをせずにすんだ。2両編成の気動車は新型車両(AT650形)で実にきれいである。車内は空席も多く、窓側の席に陣取る。座席は転換式クロスシートである。ワンマンではなく車掌も乗務している。しばらくすると団体さんが大勢乗りこんできて満席となり、立っている人もいる。先ほどの快速からの乗り換え客ではない。会津鉄道は単線で、西会津方からの列車が遅れているらしく、会津田島(13:35)の発車時刻は過ぎているが発車できない。隣に座った団体の中の年配のご婦人がは「田舎はのんびりしている」なぞと勝手な事を言っている。
やがて快速〔AIZUマウントクスプレス〕(キハ8500系)が入線してきた。かつては名古屋鉄道の車両で、特急〔北アルプス〕として高山本線に乗り入れていた。大手私鉄の元特急車両とあって、チラッと見えた車内は快適そうである。10分以上遅れて、ようやくの発車となる。ここまでは電車の旅だったが、これからは気動車(ディーゼルカー)の旅で、エンジン音が響いてくる。隣のご婦人が遠くに見える雪山やら、一面の雪景色を見て、写真撮影に大忙しである。走る車内から車窓を撮るのは良いが、ストロボはお切りになった方がよろしかろうと思うが、余計な事は言わずに、黙って見ておく。列車は各駅に停車して行く。地元の乗客が降りていくので、隣のご夫人もお仲間の隣の席が空いたらしく、そちらに席を移した。相変わらずカメラ片手に頑張っている。関東在住らしいが、こんな雪は珍しくて嬉しいのだろう。私も雪かきなぞしないから、雪景色を見るのは楽しい。車窓には雪かきする人が見られるが、今年は豪雪だったそうで、さぞ大変な事だろうと思う。それでも見ている分には雪景色は美しい。
塔のへつりで団体さんが降りていった。塔のへつりは危険な崖を意味する景勝地で、侵食と風化を繰り返し見事な景観だという。片面ホームだけの簡素な駅の向こうに神奈中バスが止まっている。駅を出て橋梁を渡ると、川岸は見事な岩の崖となっていた。次の湯野上温泉は駅舎が木造で萱葺きである。囲炉裏のある駅はここだったかと思う。大川ダムの側を列車は走る。ここはトンネルが多いが、線形はよい。芦ノ牧温泉で〔お座トロ雪見号〕と交換する。お座敷+トロッコ+展望車だそうで、お座敷列車でお弁当を食べつつ雪見酒なんて乙である。若い女性の駅員が運転士と話している。会津鉄道は無人駅ばかりではないようだ。
左手から単線の線路が近づいてきて西若松に到着。この先は東日本旅客鉄道只見線に乗り入れるが、乗務員の交代はなし。市街地を走り、列車は少しの遅れで終点の会津若松に到着した。
■福島県会津若松市
会津列車たび 会津若松で一泊
会津若松ワシントンホテル (福島県会津若松市白虎町)
東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道そして東日本旅客鉄道の4社に及んだ切符を改札で渡す。鉄道会社の数は多かったが、まだ午後3時前、新越谷からは5時間弱である。会津は意外に近い。観光案内所で市内の地図等を入手する。先ずはホテルへ。駅の外へ出て歩くが、思ったほど寒くない。しかし松戸よりは寒い。車窓では雪景色も見られたが、駅前は除雪され、路面も乾いている。予約しておいたホテルまで歩く。
ここ数年は、あるホテルチェーンを良く利用していたが、今年になってそこは悪いニュースでもちきりである。そのチェーンのホテルは会津若松にはないが、別のホテルを使うようにしたい。以前は東急インやワシントンホテルを利用していたのだが、幸い会津若松ワシントンホテルがある。インターネット予約で割安なプランがあったので、それを利用する。行ってみると複数のレストラン、宴会場、ウエディングサロンもある大きなホテルである。結婚披露宴があったのか、ロビーは賑わっている。奥まったところにあるフロントでチェックイン。クレジットカードで支払い、カードキーと夕食券、朝食券、ドリンクサービス券をもらう。今日はホテルから出るのも億劫なので1泊2食付きにしてある。夕食券は洋食、和食の2つのレストランで使えるが、ドリンクサービス券は和食の方のみで使える。夕食は和食に決定である。
部屋に入ると、高い階なので眺めが良い。まわりの山々がきれいだ。テレビを見ながらくつろぐ。翌日の予定を考えていたら、東武鉄道の特急に乗るのが都合がよいことが判った。特急券が必要である。しかし会津若松駅で東武の特急券を扱っているのだろうか。市内にJTBがあり、そちらでは間違いなく扱っているので、切符を買いに行く事にした。JTB東北会津若松支店は会津若松駅付近になく、若松の街並をしばらく歩いた。海外旅行を相談している先客2組がいた。私が前にJTBを利用したのは台北への格安航空券を買う時だったが、今回は特急券1枚きりである。ゆっくり相談したまえ。番号札を持って座っていると眠くなってきた。番になって切符を頼むと、すぐに発券してくれた。800円だった。安くて悪いのう。行きとは違う道でホテルへ戻る。会津の中心地だけに大きな街である。
部屋に戻り、テレビでトリノ五輪を見る。カーリング女子予選(日本-カナダ)だったが、なんと強豪のカナダに勝った。気分良くして食事に行く。和食のレストランの店員に夕食券を渡す。2種類の定食から選ぶようになっている。魚の多い方を選び、ドリンクサービス券は生ビールにしてもらう。店内は座敷というか大広間で、けっこう賑やかだ。ビール1杯だけでは勿体無い。会津の酒を適当に頼むと榮川が出てきた。若松の酒である。いい心地だが今は寝不足である。この辺で切り上げ、部屋に戻って床についた。
ホテルの部屋からの眺め (福島県会津若松市白虎町)
平成18年2月19日日曜日。天気も良く、気持ちのよい朝である。夜はスキー場の灯りが見られたが、今朝も山が見える。さて、朝食である。夕食で選ばなかった方のレストランで朝食バイキングが供される。最上階であり、若松の夜景が眺められたであろうが、昨夜は夜景より生ビールを選んでしまった。店内は賑わっている。スキー客(スノボ客)も見られる。朝食券を店員に渡し、盆を持って皿に料理を取ってゆく。少量ずつ多品目を心掛けるが、いつも大量となる傾向がある。窓に面した席に陣取る。街の中心部がよく見える。鶴ヶ城も遠くに見える。自分の部屋からとは反対側の眺めである。こちらも山が見える。正に山に囲まれた土地である。牛乳から始まり、たらふく食べて、コーヒーで朝食を終えた。昼めしは要らないくらい食べたが、今日は腹が減らなくても、お昼を食べなくてはいけない。
食後はゆっくりとしたいが、チェックアウトしなければならない。それでも鞄に荷物を詰めて部屋を出たのは、午前10時が近かった。屋外はやはり寒い。手袋は欠かせない。駅まで来ると小さなバスが停車している。おそらく観光地を回るのだろう。駅舎を撮影して、そのバスに乗りこんだ。
磐越西線 会津若松駅 (福島県会津若松市駅前町)
(画像がなくて申し訳ないが)レトロ調ボンネットバスで、まちなか周遊バス「ハイカラさん」という。運転士は女性で実に丁寧な応対である。周遊バスなので鶴ヶ城到着が通常の路線バスより遅いそうだが、このまま乗っていく。料金は均一で200円。私に続いて上方言葉の年配の男性が乗ってくる。東山温泉までと告げると、運転士はやはり路線バスより遅い旨、説明する。旅行者だから構わないと、この人もバスに乗る。次々と旅行者が乗ってきて席は埋まり、立つ人もでて若松駅前を発車した。観光案内もしながらバスは走る。若松の街は太平洋戦争での戦災を受けなかったので、古い建物や街並がよく残っている。途中、野口英世博士(1876-1928)が火傷の手術を受けた病院の建物の前を通る。現在は會津壹番館という喫茶店と資料館となっている。そしてバスは鶴ヶ城北口に到着した。 (つづく)
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旅日記
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