[東京神田] 神田橋,三河屋

東京に初めて西洋料理店ができたのは慶応3年(1867年)のことであった。
神田橋の三河屋久兵衛である。
この歳三河屋が政府の外国方に提出した西洋料理のフルコースの献立が残っている。
それによればメニューには「上」と「上々」があり、 「上々」 は一人38品で、値段は銀584匁、現在の価格で計算すると8万円以上になる。
残っている三河屋のチラシ広告から引用する。
西洋料理並に仕出し候
一人前
上  金200疋
      肉4品
      菓子付き料理一式
      御進物
中  金150疋
      肉4品
      御折詰
並  金100疋
      肉3品
この広告では値段に「疋」という単位が使われている明治4年5月新貨条例及び造幣規則が交付されて、貨幣として円や銭が採用されている。
ということはこの広告はそれ以前化交付されてまだ間もない頃のものだろう。200疋は50銭、150疋は37銭5厘、100疋は25銭。
これとほぼ同じ時代のものと思われる九段坂上富士見丁3番地南海亭の広告から引用する。
ソーフ(スープ、吸物)  金2疋5分
フライヘイシ(天婦羅)  金1疋5分
ヒフテキ(牛の照り焼き)  金2疋7分
パン(舶来小麦粉)  金1疋6分
コヘイ(コーヒー)  金1疋2分
ライス  金1疋2分
シチウ(牛・鳥うま煮)  金2疋5分
   (小管桂子 日本洋食物語大全)

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