ヤングタウン渋谷



ヤングタウン渋谷
1981年
緩やかにくれる坂道でエンジジュの並木。赤いテレフォンボックスが目に留まる。
待ち合わせの女性でいっぱいのパルコ。赤レンガのホテルに博物館。
雨上がりの夕暮れは、また一段とシックで大人のムードの町である。
最近、個性派ヤングの間で話題に上っているのが、ファイヤーストリート。間口・奥行ともにせいぜい4メートル前後のミニショップが数件並んでいる。商品は輸入衣料や雑貨だがどこか違うという。
場所は原宿方向の線路沿い、渋谷消防署の前あたりで、これが名前の由来であるという。
渋谷駅の北口、忠犬ハチ公の銅像は昔も今も変わらないデートの待ち合わせ場所。肝心の銅像が見つからないほど、昼も夜も人だかりしている。
■道玄坂
ハチ公広場から道玄坂を歩く。渋谷のメインストリートで、人も車も往来は凄まじい。しかし歩道に沿って洒落た街灯や街路樹が整然と並んでいて、おまけに坂道とあって、ロマンチックな雰囲気がある。
■円山町
道玄坂を登りきったら、右側の交番先の渋谷三業通りに入ってみよう。この道は、普通の商店や飲食店が並ぶ商店街だが、ひとつ路地裏に曲がると、いわくありげな料亭や、けばけばしい構えホテルが連なっている。この辺りは戦前まで、丸山花街としてそれなりに栄えた町。
■公園通り
ファッションビルやブティック、洒落た喫茶店やレストランがぎっしり並ぶエリア。この街の核をなしているのはパルコだが、赤レンガの東武ホテルや、たばこと塩の博物館がまたこの通りに風格を与えている。
通り沿いではないが、パルコ裏にある東急ハンズは、全館ハイセンスな diy 商品を扱う専門店として新名所にもなっている。
道行く人のほとんどが10代20代のヤング。しかもファッション雑誌から抜け出てきたような装いのアンノン族や、個性を強調したキャンパスルックの学生達が闊歩する。
□エクラン
レストラン喫茶。昭和28年創業。先代が映画界出身とかで、毎月1回16ミリの上映会を開く。
□サンマリノ
洋食屋。主に肉料理。近くの劇場がはねてから、味にうるさい芸能人も立ち寄るというから味は保証付。
□勤労福祉会館レストラン
福祉会館の1階の奥にあるので目立たないが、公共施設の中のレストランとしてはムード・サービス良し。ボリュームたっぷりの日替わり定食が350円前後、コーヒー200円、低価格も魅力。
□壁の穴
スパゲティ。
固定観念にとらわれず、オリジナルなスパゲティのレパートリーを続々開発している。あさり・しめじ・いくらなど150種類以上のメニューはただ敬服。
□マルキーズ
洋食屋。ブルーバールビル地下。デザートの自家製ヨーグルトがおすすめ。
□時間割
喫茶店。
昭和44年開業。界隈の喫茶店の中では古い方。店内中央には骨董的オートバイの展示されている。

-ブルーガイド 東京街歩きガイド 1981年版

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