[車両] トヨタ, カローラ・レビン
いまも語り継がれるシリーズ最後のFR車とは
トヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」
新開発のエンジンを搭載しながらFRのままとされた4代目「カローラレビン」
1966年に初代が誕生したトヨタ「カローラ」は、高い実用性と品質の高さでたちまち小型大衆車のトップセラーになりました。
その後、小型大衆車にも高性能化が求められるようになり、1972年には2代目カローラに、1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載する初代「カローラレビン/スプリンタートレノ」が登場。若者でも手が届く高性能車として大人気となりました。
カローラレビン/スプリンタートレノは継続して代を重ね、1983年にAE86型カローラレビン/スプリンタートレノ(以下、レビン/トレノ)が登場。 カローラシリーズにはセダン、5ドアハッチバック、ステーションワゴン、ライトバンもラインナップされており、これらのモデルはこの5代目をもってすべてFF化されましたが、レビン/トレノはFRのままとされました。
レビン/トレノに搭載された1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンは、新開発の「4A-G型」ですが、シャシは先代をベースとしており、サスペンションもフロントがストラット、リアがラテラルロッド付き4リンクのリジッドアクスルと、すでに時代遅れの型式でした。 一方、リジッドアクスルは強度が高く、構造がシンプルで、AE86型の場合はリアタイヤが滑り出した時の挙動がマイルドで、コントロールしやすいというメリットもありました。 しかし、当時は世界的に小型車のFF化が一般的になっており、すでに「カローラFX」という高性能なFFモデルも存在している状況だったこともあり、AE86型の次世代にあたる「AE92型」レビン/トレノから、シリーズ全車がFFに移行しました。 AE86型を振り返ってみると、新開発のエンジンを搭載しながらも旧式のシャシという、アンバランスさが絶妙なモデルだったのかもしれません。 ※ ※ ※ 冒頭にあるとおり、近年のクルマの進化は目覚ましいものがあります。とくに衝突被害軽減ブレーキに代表される先進安全技術は、この20年で大幅に進化を遂げました。
2000年代初頭にはミリ波レーダーを利用したプリクラッシュセーフティが存在しましたが、完全に停止するには至らず、減速するのみとなっていました。 これは、技術的な問題だけでなく、法的な問題もあったといいます。 クルマの進化には技術だけでなく、インフラや法整備といった多角的な要素が重要だということでしょう。
くるまのニュース編集部
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